レビュー

戦争の歴史を知ることの意義 最近の教育は戦争を教えない?

どうも皆さま、先のミリタリーコスプレコラムではお世話になりました、金剛でございます。

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そういえば、もうすぐ夏も終わりますね。日がだんだん落ちるのが早くなっているのを感じるこの頃ですが、つい最近まで「日が長くなったなー」とか思っていたら、「もう短くなったなー」と感じるのは、自分自身が歳をとったと感じる瞬間であります(笑)

さてさて。このサイトでは、ガチのミリオタたちが見るサイトという事もあり、あまり半端なことを書いてしまうと、思いっきり叩かれてしまいそうなので、自分自身も気合を入れて書かせていただきたく思います(笑)

今回のテーマは「最近の教育は戦争を教えない?」というテーマにさせていただきましたが、このコラムを書いたきっかけはいくつかあります。

「戦史」という学問が下に見られる現状

最初のきっかけとなったのは、筆者がとある有名漫画家さんのご縁があり、そのご縁で、ある戦史研究家のお話をお聞かせいただいた時にありました。

その講演の中で、その戦史研究家の方の口から、ちょっと耳を疑う言葉が出ました

「最近は教育の歴史の中で、「戦争」という事実を教えないので、大学などの研究機関で「戦史」は下に見られている」

という事をおっしゃっておりまして筆者は正直、耳を疑いました。

また、筆者の仕事の関係で、ある有名経済学者の方が

「最近の若者の「歴史離れ」深刻化している。歴史を学ばないものは二度失敗する」

という言葉に中にも、同様のことが言われておりました。

更に、現役の助教授の方に、本当に最近の歴史の授業では、戦争を教えないのか?と聞いたところ

「すべてとは言えないが、その傾向はある」

と話しておりました。やはり最近の教育現場から、すでに歴史離れが始まっているのか?と感じることが多くありました。

しかし、あくまで筆者が感じる範囲の話ですが、このことは実は20年前から感じることがありました。

歴史離れの弊害

筆者の中学生の時の話なので、今から20年前くらいの事です。

中学から「世界史」が入るようになり、そのころから小学校とは違い、各教科ごとに、教師が変わるというカルチャーショックを覚えたのがこの頃だったのですが、つまりはその担当するのがその教科のプロ、という事が事実であると思います。

そしてですね、ここで初めて自分が通っていた中学の教員のレベルの低さをここで知ることになります。

ある日、世界史の授業で世界史の先生が

「次はアメリカ南北戦争の授業をするから、何でもいいから南北戦争のキーワードを各自明日までに調べて私に報告するように。名前は書かなくていいから。そのキーワードについて私が説明する」

という、ある種宿題みたいな課題が出されました。

筆者は当時から歴史が好きでしたので、アメリカ南北戦争の話は多少知っていましたので、次の授業でその世界史教師に「KKK団」(クー・クラックス・クラン)というキーワードを提出しました。

これはいわゆる「民族主義」(白人主義)下に、奴隷解放を謳ったリンカーンに対し、戦争敗北後に南部出身者中心に結成した、今で言う所の「白人ファースト」みたいな主張をした秘密結社です。現在でも存在するといわれており、多くの映画にも登場するとされております。

ところが、その授業で、その世界史教師の言葉に驚きを隠せませんでした。

教師:「KKK団?なんだそりゃ?」

と全く説明ができなかったことにありました。それどころか、

「なんかの漫画に出てくるものか?史実にはあるのかなあ?」という更に驚きの言葉が…

周囲の同級生が、この「KKK団」というキーワードを、筆者がその教師に提出したことを知っているので、同級生たちは、「教えてあげれば?」と言ってきたのですが、幼いながら、彼のプライドを守るために、筆者は黙っておりました。

今でもこの衝撃の事実は覚えています。つまり、あくまで筆者が周囲で感じるレベルの「歴史離れ」ですが、すでに20年前から、しかも教師レベルで垣間見えたと感じるわけです。

自衛隊の兵器はすべてアメリカから貰っている

さらに、同じく中学生の時の話です。教科の名前を忘れてしまいましたが、「時事」みたいな名前の教科が初めて導入されたのも、この時期だと記憶していますが、その教師からも、知識の浅さに驚きました。

その授業では、日本の防衛費と自衛隊の装備という項目だったのですが、その時の教師が。

「日本の自衛隊の装備は優秀です。その理由は装備の全てをアメリカから買っているからです」という驚きの言葉が出ました。(しかも自信満々で断言していました(笑))

当時、やはり戦車オタクだった筆者にとってみれば、それは大きな間違いで、輸入している装備は一部あるにしても、陸上自衛隊の戦車については、61式戦車、74式戦車、そして当時すでに配備されていた90式戦車はすべて国産という事を知っていました。

そして現在、期待の新星として配備されている10式戦車は、車体は74式、90式と国産でしたが、海外メーカーのライセンス生産であった砲身部分が、日本製鋼所(JSW)が開発した砲身を採用したことから、車体は三菱重工、砲身は日本製鋼所、という61式戦車以来の「純国産」になっており、日本は現在でも戦時中から世界で数少ない、戦車を開発、量産可能な技術を持った国として存在しています。

<現在、10式戦車の更新が続いているが、日本で最も配備されている戦車である74式戦車。コンピュータを駆使した射撃観測装置と、地形に合わせて車体制御ができる技術を有する。車体は日本製。砲身はイギリス「ロイヤル・オードナンス」のライセンス生産。写真2011年頃撮影>

このことは、最近筆者の知り合いからも聞かれまして、

「日本の自衛隊の装備は、全てアメリカ製かと思った」と話しておりました。

この方は、70代の方だったのですが、いわゆる「年配の方だから歴史、軍事に詳しい、興味がある」という筆者の先入観もここで挫かれております。

知らなければいけないこと

このように戦争と歴史を学ばないという事は、そのような人間が教師になり、下の世代に教えることができないという状況になります。そのような状況で、戦争はダメなことだ、と訴えても、正直ピンとこないという事もあります。

確かに、間違いなく人が殺し合う戦争は、やってはいけないことです。しかし、戦争の何が恐ろしいのかがよくわかっていないこともっと恐ろしいと思います。

あくまで筆者の考えですが、戦争の恐ろしさにはいくつかありますが、その中で「戦争犯罪」と「人が獣になる」という事ではないでしょうか。

戦争犯罪は、例えば占領した地域における、兵士の住民に対する、虐殺、暴力、略奪、という行動が問題視されます。これは第二次大戦時、あらゆる占領地域で行われていたことです。

もう一つは、「人が獣になる」という事ですが、ニュアンス的にはいろいろ意味がありますが、極限状態の戦争では、人が人でなくなるという事が、いくつもの書物で書かれています。

現在筆者が読んでいる書物で、イタリア人作家、クルティオ・マラパルテ作の「壊れたヨーロッパ」では、マラパルテ氏自身がナチスの戦場特派員として戦場を歩き、見たままを書いております。

例えば、その中に、

「餓えたソ連兵捕虜が、同じソ連兵の死体の肉を食った。それを見たドイツ兵は笑った」

という事や、別の章では

「ドイツ軍は、深い森の道しるべに、凍死したソ連兵捕虜の死体を使った。」

など、現代の平和な国の日本人が到底考えられない状況がそこに書かれております。

壊れたヨーロッパ 単行本 – 1990/11

このように戦争を知らず、歴史を知らずして、最近の安保改正や米軍沖縄撤退をするかもしれないという、時事に対して、例えば現政権が何をしようとしているのか、投票する国民が知らないという事は非常に危険であると思います。(ちょっと言い過ぎかもしれませんが)

改正前は何が違うのかという会話や、それについて対話は会話ができないレベルにあったり、そもそも興味がなかったりという事に繋がっているのが現状だと感じます。国を左右する投票権を持った人々が、国がやろうとしていることに、賛成か反対かも判断がつかない状態にあるという声も、あながち間違ってはいないのかもしれないと感じます。

戦争の歴史は、好きか嫌いか、やってはいけないことかそうではないか、という個人的な感情を抜きにしても「知らなければいけないこと」に該当すると思います。

「歴史はなぜ学ぶか?それは遊ぶためにある」

中国、韓国の反日感情や、台湾の親日感情、沖縄基地騒動などすべて先の大戦が絡んでいます。また、今の西側、東側、そして、中東など、全て先の大戦が絡んでいることも忘れてはいけないと思います。そしてこれから日本を担う子供たちに、多少なりとも大人たちが、自分が人の親になった時に、教えられるような存在にならないといけないのではないかと思います。

最後に、一つだけ。

筆者の高校時代の世界史の教師は、まさにプロと呼べる知識の持ち主でしたが、その彼の言葉が、未だ筆者の中にあります。

「歴史はなぜ学ぶか?それは遊ぶためにある」

この言葉は、現在の筆者の中で非常に重要な言葉でした。

今に至るまで筆者の趣味になった歴史ですが(戦史かもしれませんが(笑))、現在ではすでにライフワークとなっておりまして、この歴史コラムを書いて、少ないながらも収入の一部にさせて頂いてもおります。

また、歴史を題材にしたアニメは非常に多く、宮崎駿監督の「風立ちぬ」はまさにそれで、この歴史についても、以前書かせていただいたことがありました。まさに作品を楽しみ、その解説のコラム書くことができたのは、その教師が言った「歴史はなぜ学ぶか?遊ぶためにある」という言葉にありました。

最近は戦争映画が多く制作されるようにもなりましたが、その背景を知ることで、より楽しむことも可能です。

「歴史、戦争を学ぶこと」の意味をもう一度考えて頂きたいと願うばかりです。

文章:金剛たけし

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