ミリタリーコスプレ が熱い!アニメによって大衆化された「軍装」と「女装レイヤー」

皆様初めまして。ミリタリーマガジンでは初めてコラムを書かせていただきます、金剛と申します。普段は、普通のリーマンをしながらフリー記者、そしてアニメ関係のコラムを書かせていただいておりますが、今回、このミリタリージャンルのサイトに初めて書かせていただきます。

筆者は一応現在30代前半の年齢ですが、この世代では珍しいとよく言われる「ミリオタ」か「戦史マニア」属性でございます。確かに筆者の世代には、あくまでも周りを見渡せばという話では、筆者と軍隊ネタで盛り上がれる人は、ほんの一握りで、それも全員60代。50、60代でもあまり軍事ネタを知らない方も多いくらいです。

しかしながら、ミリタリーはやはり、人を引き付ける「何か」があります。筆者の専門は「戦車」ですが、筆者にとって戦車には「カッコよさ」と「力強さ」が魅力的に見える、「力」の象徴であり憧れ的存在です。

最近では「ガルパン」や「艦これ」等の軍ネタアニメの人気も高まり、それに伴う軍事的、歴史等が注目されてきました。

今回は、ここ数年で見る「軍ネタコスプレ」そして「軍ネタアニメコス」という話題でお話をさせていただきたく思います。

年々進化する「艦これレイヤー」ついに男性レイヤーの比率も大幅アップ

上記写真は、2014年頃の都内で行われたイベントの一幕です。この写真に載っている6人中1人は男性でした(だった記憶があります…)

そして、もう一枚の上記写真は2015年ニコニコ超会議における大型併せ集合写真です。ひとりだけ艦これとは関係ない方もいますが、艦娘+提督以下9名のうち女性は左の天津風のみ(笑)年々新しい艦娘が登場し、それだけレイヤーの数も増えていきますが、近年では「女装レイヤー」も珍しくなくなっています。

それまで、女性が男装する「男装レイヤー」は普通にいましたが、筆者の記憶では数年前まで男性が女装する「女装レイヤー」はあまりいなかった気がします。

しかし、ガルパンや艦これなどのミリタリーアニメには、登場人物が基本女の子のアニメが多くなり、作品が好きすぎるあまり、男でも「女装」することも珍しくないという流れでしょう。彼らレイヤーは、女性が使うファンデーション等の化粧品を駆使して、女性のように見せる工夫もしています。

以前なら珍しい「女装レイヤー」は好奇の目で見られた時代もありましたが、今では結構当たり前になったのは時代の流れと、「楽しむ」ことの多様化ではないかと思います。

また、彼らのように艦娘など主役レイヤーと共にイベントで登場してきたのが、ガチの軍装マニアたちです。

ミリタリーアニメと共に登場数が増えてきた「軍装マニア」と「 ミリタリーコスプレ 」

写真は2013年頃、大田区辺りで行われた。ガルパンオンリーイベントでの一枚ですが、ガルパンレイヤーとは別にこのようなガチの軍装レイヤーも多くみられるようになりました。

彼らのよう軍装レイヤーは、あのガルパンの聖地大洗においても多く出没し、会場を沸かせています。そもそも、ガルパンの登場人物たちが来ている、試合用のパンツァージャケットは、元々実際あった各国の戦車兵の衣装を基に書かれているケースも多く、それにより彼らの軍装も注目されるようになりました。

話を聞くと、元々軍装マニアだったらしいのですが、ガルパンイベントと連動して軍服を着ながらイベントに参加するようになったのだとか。これは自らの衣装を人に見ても会うための場が増えたとも、とらえられると思います。これらの動機や理由を考えても、十分「コスプレ」の域になると思います。

上記の写真も同2013年の時の写真ですが、右のカチューシャレイヤーさんの衣装も、横に並ぶガチ勢と比べても、「軍装」に見えます。

このようにミリタリー系アニメは「軍装」そして「女装」という需要を生み出したようにも見えます。

これもあくまで筆者の見解ですが、軍装というのは、筆者の世代の親からしてみればあまり歓迎できないものであったように思えます。それは「戦争」をイメージさせるという負の感情があると推測されます。

現在でもアイドル等メディアに登場する有名人等が軍装をしていると、必ず批判が起こり、特に旧ドイツ軍の「武装親衛隊」の軍装をイメージさせるだけでメディアが動く気がします。

でも正直な話、軍装で一番人気はドイツ軍です(笑)

筆者も一時期購入を考えたことがあります。ちなみに筆者の知り合いの軍装マニアの話ですが、ガルパンOVA5話「スノーウォー」に出てくる、秋山優花里、エルヴィンが敵から情報を仕入れるために、プラウダ高のコートを着る場面がありますが、あのコートも実は元々旧ドイツ空軍の軍服をモデルにしているという事実を初めて聞きました。

アニメによって大衆化された軍装?

このように、一般の生活にも入り込んでいる「アニメ」においてそれまで一部の人たちによっては「負の感情」があった軍装も、その知名度や心の許容範囲が広くなったようにも思えます。

それは、良くも悪くも「軍装」という一つの需要が生まれた瞬間ではないでしょうか

また、コスプレにおける「女装」もガルパン、艦これによって珍しいものではなく「大衆化」に近い感覚を持ち始めたのではないでしょうか(しかしながら、やはりそれは、レイヤー同士やオタク属性の中では、という限定付きかもしれませんが)

そういう意味では、かつて一部では敬遠されていた「ミリタリー」も、アニメという存在により、新しい需要を生み出しだし、人の心に余裕を持たせたのであるならば非常に大きな意義を持っているともいます。

そこには「負の感情」関係なく、写真の彼ら軍装マニア達のような「ミリタリーが好き!」と堂々と言える環境が整ってきた時代の到来を表しているかもしれません。

文章:金剛たけし

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