どうもお久しぶりでございます、金剛です。
ミリマガでのコラムもかなり隔週になってしまい、皆様にも編集長にも申し訳ないです(笑)
さて今回のコラムは、戦争映画のコラムになります。今回紹介する映画は、実在した伝説のスナイパーを題材にした映画「スターリングラード」紹介します。
スターリングラード戦で伝説となった、ソ連軍伝説のスナイパー「ヴァシリ・ザイツェフ」
この映画は、「スターリングラード」という題材になっていますが、スターリングラードそのものの戦いではなく、その中で起きた、スナイパー(狙撃手)とスナイパーの戦いを中心に描いています。
主人公の「ヴァシリ・ザイツェフ」(役;ジュード・ロウ)と政治将校の「ダニロフ」(役:ジョセフ・ファインズ)は、スターリングラードのある戦いの最中、味方が全滅する中、命を拾います。戦闘が収まった戦場で、ダニロフは目の前にドイツ軍の高級将校がシャワーを浴びるところを発見し、落ちていたライフルで狙撃を試みますが、たまたまダニロフの近くで同じく命を拾っていたザイツェフに、「爆撃の音に合わせて狙撃をするように」とアドバイスを受けます。その一言で、ダニロフはザイツェフをタダ者はないと感じ、彼にライフルを手渡します。すると、ザイツェフは、瞬く間にドイツ軍将校、そして取り巻き達を狙撃します。
この戦いの後、生き残ったダニロフは、上官から苦戦するスターリングラード戦を制するにはどうしたらいいか尋ねられたところ、このザイツェフを「英雄」に祭り上げ、これにより兵士の士気を上げるという方法を提案します。
ダニロフの提案により「英雄」となったザイツェフは、次々にドイツ軍将校を打ち取り、その戦果は、赤軍の広報誌で大々的に戦地に配られ、兵士の士気を上げることに成功しました。
こうした中、ドイツ軍では、ザイツェフを葬る為に、一人のエリートスナイパーをスターリングラードに派遣します。それがザイツェフの宿敵となる、エルヴィン・ケーニッヒ少佐(役;エド・ハリス)でした。
この映画の見どころはすなわち、「スナイパーVSスナイパー」の息詰まる戦いです。例えば物陰からターゲットを狙う為、廃屋に敵を誘い込み、味方の遺体を利用してカモフラージュにし、ターゲットに発砲させ居場所を探り出すなど、細かい部分でスナイパーの戦いを再現しています。
ちなみに、物語はフィクションとありますが、主人公のザイツェフは、実在の人物で、ソ連軍の伝説的なスナイパーです。
スナイパーで有名所と言えば、1939年に起きた「冬戦争」でソ連軍から「白い死神」と呼ばれたフィンランド軍の伝説のスナイパー「シモ・ヘイヘ」(2002年享年96歳)が有名です。
「プロパガンダ」と「英雄」の存在
また、この物語においても描かれていますが、いわゆる兵士の戦意高揚のためにザイツェフは「英雄」に祭り上げられますが、ドイツ軍、ソ連軍共に「プロパガンダ」として兵士の英雄化を利用しています。
現在においても、旧ドイツ軍では、いわゆる戦車エースや、戦闘機エースなどで著名人の名前が語り継がれています。有名どころでドイツ戦車隊でのエースとして名高い「ミヒャエル・ヴィットマン」や「オットー・カリウス」が有名で、彼らの存在は、戦時中においても劣勢の自軍兵士に希望を与えたと、様々の書籍等で語り継がれています。スターリングラード戦開始くらいまでは、ソ連軍は劣勢でありましたから、その存在は大きい物と考えられます。
映画では、英雄に祭り上げられた兵士と、英雄に祭り上げた政治将校が、一時的に恋敵となりその関係が崩れるなど、人間ドラマも展開され、見応えも十分と思います。
ある種、市街戦の、その中の戦いという非常に細部の部分をクローズアップしている作品でありますので、ファンとしても一度見る価値はある作品と思いますので、是非ご覧あれ!
(文:金剛たけし)
タイトル |
スターリングラード オリジナルタイトル:Enemy at the Gates |
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監 督 | ジャン=ジャック・アノー |
出 演 | ジュード・ロウ ジョセフ・ファインズ エド・ハリス |
製作・配給会社 | パラマウント映画 / 日本ヘラルド映画 |
公式サイト | https://www.paramount.com/movies/enemy-at-the-gates |
公 開 日 | 2001年4月14日 |
上映時間 | 131分 |
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