皆さまお世話になります、艦これおじさん属性であります、金剛でございます。
元々、戦車好きのガルパンおじさんであった筆者でありますが、ゲーム艦これを初めて早5年。艦これ絡みで、最近じゃ水上艦、潜水艦、航空機にも関心を向け始めました。
艦これには、多くの水上艦が登場します。戦艦だと大和、武蔵、長門などの花形艦や、駆逐艦でも、暁、響、雷、電などの第六駆逐隊。最近では、海外艦も登場し、ドイツ最強の戦艦ビスマルク、重巡プリンツ・オイゲン、そして幻のドイツ空母、グラーフ・ツェッペリン。英国艦だと、空母アークロイヤル、戦艦ウォースバイト、米国艦だと戦艦アイオワ、空母イントラピッドなど、あまり挙げるとキリがないのですが、数ある艦娘の中に「潜水艦」娘もいます。
現在登場している、潜水艦娘は、主に日本艦がほとんどです。(数少ない海外艦の潜水艦はU-511、Uボートの一種です。史実でも後に日本海軍所属になり、呂号潜水艦、また元イタリア艦で、後の伊―504も登場します。
実は、筆者もあまり潜水艦には興味を持っていなかったのですが、艦これ、そして今回ご紹介する「仮想戦記」の小説では、かなり有名な作品が原作となっている映画「ローレライ」で興味を持つことになりました。
仮想戦記物では、非常に有名と言われておりますが、この映画のパンフレットにありましたが、原作者の福井晴敏氏は、監督の樋口真嗣氏より、「第二次大戦の背景としたオリジナルストーリーを考えてほしい。」という要望を受け、これが小説「終戦のローレライ」と映画「ローレライ」の出発点だったといいます。
つまりは、この解釈は映画と小説で違ったストーリーが考えられていた?と筆者は解釈しています。(あくまで個人的解釈ですが…)
今回は、映画ローレライ、そしてこの映画に登場し、主役の兵器となる「伊507」のモチーフとなった仏潜水艦「シュルクフ」を簡単にご紹介いたします。
名優たちが揃う、「伊507」の乗組員が織りなす、胸熱な映画「ローレライ」
物語は、1945年8月6日の広島原爆投下からストーリーは始まります。
海軍軍令部所属の朝倉大佐(堤真一)は、絹見少佐(役所広司)に、広島に続く次なる原爆投下を防ぐため、原爆輸送中の米艦船の撃沈を目的とした出撃を命じ、その任務を遂行するために正巳少佐に、ドイツから供与された潜水艦「伊507」を与え、その艦長に命じます。
果たして、乗員が足りない状態で、日本を離れた絹見少佐以下、伊507の面々は、伊507の特殊装備である、ドイツの伝説に登場する魔女になぞらえられた「ローレライ」システム(N式)の存在を知ることになります。
伊507と接続して使用される特殊潜航艇の為、その搭乗員に指名された折笠隊員が、その特殊艇にある一人の少女が乗り込んでいることを知ります。この。少女は、「パウラ・A・エブナー」この少女こそ、このN式の中核となる人物した。
そして、横須賀を出港した伊―507に、米駆逐艦隊が接触。絹見少佐は、同乗していた軍属技師高須が渋るのを横目に、N式の起動を命じますが、N式による新技術を目の当たりにした、その場にいた搭乗員は目を疑います。
その技術とは…
名優たちが織り成す、船内でのドラマと心打つセリフの数々。
この映画の中には、様々な立場の人間たちが登場し、そのそれぞれ違う人間たちを、絹見少佐が束ねていきます。南方作戦に従事した元歩兵、野球選手にあこがれた、特攻兵器「回天」の搭乗員、などそれぞれの思いを持った搭乗員。
数々の戦いの中で、各搭乗員に向けて、絹見少佐のセリフがかなり心に響くんですが、その中で、クライマックスに絹見少佐が放った一つのセリフが
「私は信じる。例え国が焼き尽くされようが…日本人は、自分で焼け跡から立ち上がる!」
いやー、当時劇場でこの映画見ていましたが、マジで目頭が熱くなります。今でも(笑)
このように、この映画の特徴としては、各搭乗員の織り成すドラマと、潜水艦の戦いを忠実に再現しているところです。実際筆者自身も、この映画で、潜水艦の戦闘作業とか知ったくらいなんで(笑)
最後に潜水艦「伊―507」のモデルとなった仏潜水艦「シュルクフ」について
最後になりましたが、小ネタとして、この映画の主力兵器「伊―507」のモデルとなった、フランスの潜水艦「シュルクフ」について簡単に紹介します。
皆さん、正直な話、大砲積んでる潜水艦なんているのか?と思った方もいるかと思われます。正直自分も思いました(笑)
しかし、あったんですね。史実で。この伊―507のモデルとなったフランス潜水艦「シュルクフ」は、重巡洋艦並みの装備である20.3㎝砲連装砲を装備していたそうです。
この潜水艦は、大戦中フランスが保有していた78隻あるフランス潜水艦の中でも、1926年に1隻のみ作られたモデルの潜水艦だそうで、カテゴリーとしては巡洋潜水艦になるとか。
戦時中は、主に西インド諸島や、アフリカ・ギニア湾から本土に航行する輸送船団の護衛任務が主な任務で、フランス降伏後の1940年以降では、自由フランス軍側に参加し、最後は1942年2月にパナマ・クリストバル沖で、米貨物船との衝突により、事故で沈没しているそうです。
実際に持っていたスペックはトップクラスだったのに、国が降伏、ヴィシー・フランス、自由フランスという同じ国で二つの勢力に分かれてしまった不運や、その運用方法も高スペックのシュルクフを生かせなかった要因かなとも思います。
しかし、映画の中では超活躍!!絹見少佐に率いられる、シュルクフこと、「伊―507」活躍する姿を、映画「ローレライ」で一度見てみてはいかがでしょうか!
文:金剛たけし
参考文献:MCあくしずVol 46 イカロス出版
タイトル |
ローレライ オリジナルタイトル:Lorelei: The witch of The pacific ocean |
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監 督 | 樋口真嗣 |
出 演 | 役所広司 妻夫木聡 柳葉敏郎 香椎由宇 石黒賢 小野武彦 佐藤隆太 ピエール瀧 鶴見辰吾 伊武雅刀 國村隼 橋爪功 上川隆也 堤真一 |
製作・配給会社 | 東宝 |
公式サイト | http://www.507.jp/ |
公 開 日 | 2005年3月5日 |
上映時間 | 128分 |
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