「 極道兵器 」は海外マフィア勢力とサイボーク化したヤクザが戦う、コミック原作のアクション映画

日本映画を世界に輸出するために作られたレーベル「SUSHI TYPHOON」の第3段。極道兵器(YAKUZA WEAPON) 他には「エイリアンVS忍者」 「ヘルドライバー」「デッドボール」など、外国人が喰いつきそうなタイトルばかりです。

原作は2006年に58才で急逝したマンガ家石川賢氏の「 極道兵器  LETHALWEAPON」です。サブタイトルの LETHAL WEAPONがYAKUZA WEAPONになったのは、外国人ウケを考えたのとメルギブソン主演の同タイトル映画があるからでしょう。

原作者石川賢氏は大ヒット作には恵まれませんでしたが亡くなる直前まで途切れることなく連載を描いてました。デビュー直後は永井豪氏のようなタッチ でしたが、のちに自分の画風を確立し精密な画を描いていました。後年は「時代劇マンガ」を主舞台として活躍していました。代表作の一つ「ゲッターロボ」は 1974年にTV局の企画で始まり、石川賢氏はデザインとコミカライズを担当しました。

1991年にTV放送された続編「ゲッターロボ號」もTV局企画で したが大胆に設定を変更し、「ゲッターロボサーガ」と呼ばれる作品群に成長させます。今日も次世代の作家によって新しい「ゲッターロボ」が発表されていま す。

映画化は原作コミック全3巻のうち1巻と2巻の半ばまでと、他エピソードのビジュアル栄えするところを再編成した感じの脚本です。連載は98年と石川賢氏が一番脂が乗っていた時の作品の一つです。

極道兵器 のあらすじ

関東有数の暴力団岩鬼組の二代目岩鬼将造。あまりにも凶悪な振る舞いのため、組長に勘当され南米で傭兵稼業で食いつないでいた。傭兵の間でも、マッ ドドックと呼ばれるほどの武闘派で鳴らしていた。そこへ内閣特務捜査官赤尾虎彦が岩鬼組長の訃報を携えて訪ねてきた。将造は国へ帰る決心をする。

久しぶりに日本の土を踏んだ将造だが岩鬼組はすでになくなっていた。日本制覇を狙う海外勢力デスドロップマフィアと岩鬼組若頭 倉脇重介が結託し組を乗っ取ったのだ。南米の戦場より持ち帰った重火器を担いで倉脇に殴り込みをかける将造。ガンシップのバルカン砲で片腕片脚を失いなが らも勝利するが意識を失ってしまう。

半死半生の将造を内閣特務捜査官赤尾が連れ去り、腕にバルカン砲、脚にロケットランチャーを組み込み、サイボーグ兵士にしてしまう。そして、「おまえのシマ(日本)を守れ」と言う。将造も応える。「おう。この身体(兵器)は最高じゃ」極道兵器の誕生であった。

デスドップマフィアはアジア制圧の拠点として日本を落とす必要があった。極道兵器と化した将造はまさに目の上のコブ。マフィアとヤクザの最後の闘いが始まる!

極道兵器みどころ

主演、監督、脚本を坂口拓氏が担当しています。坂口氏は格闘技畑出身でアクション監督として、「ビーバップハイスクール」「里見八犬伝」などメ ジャー作品を世に送り出しました。アクション俳優がアクションを「魅せる」ために、監督、脚本、主演を担当した作品が「極道兵器」です。坂口氏の集大成で はないのでしょうか。

私は石川賢氏ファンのためどうしても原作基準になります。つまり、原作を忠実に再現しているか?が評価基準です。話半分で読んで下さい。兵器化前と 兵器化後と1回づつ大アクションシーンがありますが、上手く映像化できている部分とそうでない部分が明確になってしまいました。

兵器化前のアクション。爆薬で倒壊する高層ビルを舞台に生身の将造がガンシップとやりあうのですが、予算的に映像化は無理だったようでギャグでごまかしているのが惜しいです。原作の流れに添ってハリウッドなみのCGを使えればかなりイケたとおもいます。

兵器化後のアクション。デスドロップマフィアの手先となった幼なじみの兄妹と闘うシーンは、秀逸です。ドラックで強化された肉体を持つ兄と、将造以 上の兵器人間に改造された妹(人格は無くなっている)。二人のコンビネーション攻撃がブラジルプロレスルチャリブレを見ているようなアクション。全裸の妹 が兄の盾となり、武器となる。みどころのひとつです。

色々書きましたが、原作、脚本、アクションどれも平均的な日本映画を越えています。やはり予算の問題で「残念」な印象の映画になってしまっています。ハリウッド並…..、いや実写版「ガッチャマン」なみの予算があれば、、、ほんとに世界進出できた作品です。

タイトル 極道兵器ーYAKUZA WEAPON
監  督 坂口拓 山口雄大
出  演 坂口拓 鶴見辰吾 黒川芽以 麿赤兒
製作・配給会社 日活
公式サイト http://www.sushi-typhoon.com/jp/
公 開 日 2011年7月11日
上映時間 105分
著作権情報 すべての映像及び画像の著作権はすべて著作者に帰属します。

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