ベトナムヒストリカルイベント MVG in VIET NAM’07 『Operation BOB』

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『ナパームの焼けた臭いが勝利の臭いだ』。そんなセリフがビビッとくるベトナム戦争を再現するイベントが2007年8月11日、12日の両日に渡って開催 された。ミリタリーグッズ販売では知らない人はいない『サムズミリタリ屋』が主催するベトナムヒストリカルキャンプ『MVG in VIET NAM ’07 』だ。

dsc_4266かつては同社が主催する『アホカリプス』なるベトナムイベントがあったのだが、諸々の事情により開催が中止となってしまった。そして今夏、アホカリ プスで不備のあった部分をバッサリと修正した『MVG in VIET NAM’07』の開催となった。このイベントの再開を待ちにまったベトナムフリークも多い事だろう。

それが証拠に、お盆の真っ只中と東京では他社の行うトイガンイベント開催という悪条件の中にあっても、日本全国から約400名近いベトナムフリークが富士 の麓にある本栖ハイランドに集結し、2日間に渡って参加者全員がグリーンベトナムを演出した。combat.chもその中に潜入し、日本で再現される60 年代のベトナムをこっそりと覗いて来る事にした。撮影したフィルムのワンカットを切り出せば、まるでそこは1960年代のベトナムにいたかのような錯覚に 囚われる。そんな雰囲気たっぷりのフォトとビデオを、このレポートではお届けしたい。

トラブル発生!広報車両の不調と大渋滞

今回、combat.chはこのMVGに参加するにあたって、長年レストアしてきた軍用車両のM1010を投入する予定だった.すべてを完璧にレストアップしてバッチシの状態にしての投入だった。そう『そのはずだった・・・』

実 はM1010にはクーラーが装備されていない。本来は搭載されているのだが、元々搭載されていたクーラーは米国製で性能が非常に悪く、国産のクーラーを搭 載するために車両から外してしまっていた。しかしこのままでは道中『クソ暑い』のは間違いないので、応急処置的に後部救急室キャビネットに家庭用のクー ラーを搭載する事にした。クーラーへの電力供給も専用のダイナモ(発電機)を回す事で十分に供給できるはずだった。しかし『キャビネットはこれで涼しくな りましたが、運転席まで冷風がイマイチこないんで、扇風機付けましょうよ』と運転席に自動車用の扇風機を搭載する事にした。これが間違いの原因だった。

たしかに車内は快適になった。扇風機がキャビネットの冷風を程よくかき回し、『これなら富士山までチョロイぜ』とか『どんな長距離でもOK』とか調子こいて いた裏では、扇風機の分だけ電力が供給されずにバッテリーの電力がどんどん消耗していっている状態だった。またクーラーも設定温度になるまでは予想以上の 電力を消耗し、バッテリーを急激に弱らせていった。そして弱ったバッテリーに最後の止めを刺すのは、搭載したクーラーの『待機電力』だった・・・

そんな状況で出発当日、『さあ、富士まで出発!』とエンジンキーを回すがエンジンは始動しない。急激に弱ったバッテリーでは、6000ccのセルモーターを 駆動させる事はとうてい無理な話だ。バッテリーを新品に換えて出発!とも思ったが、専用のバッテリーは非常に高価で、レンタカーを借りる方が安いくらい。 また、出発前になんとなくケチがついてしまい、雰囲気的にイヤな部分もあった(これが結果的に正しい判断だった)。仕方なく急遽レンタカーを借りに走り、 搭載した荷物の積み替え作業に追われ、出発前からクルーはグデングデンのフラフラ状態になってしまった。

『まあ、高速で6時間くらいだから。ガンバロウよ』と高速に乗ったとたん事故渋滞。その距離約17キロ。狭い車内では、疲労と絶望感からビリッとし た空気が流れる。まさに一触即発の状態だ。この切迫したクルーのイライラ感は、いずれ車両整備の担当である私にそのベクトルが向けらるのは時間の問題なの で、いち早く寝ることにした。

渋滞は各所で続き、現地に到着したのは11時間後。なんと通常の所要時間を5時間もオーバーして本栖ハイランドに到着した。クルーは口数も少なく険悪なムードで初日を迎え、その夜は黙々と設営を続けた。

余談ではあるが、帰路も類を見ない大渋滞に巻き込まれ、東名高速の岡崎IC付近では下り通行止めといった『一番出会いたくないアクシデント』にまで遭遇して しまった。国道一号線に渋滞回避を試みるも、やはり人は皆同じ事を考えるらしく国道も大渋滞。ノロノロ運転で結局12時間の長時間ドライブとなってしまっ た。

クルーが皆声を揃えて言ったことは、『広報車両でこなくてヨカッタ』。軍用車両の広報車両でこの渋滞に巻き込まれたら、騒音と居住性の悪さからホントに殴り合いのケンカになってます。今後のイベント開催日程は、是非お盆期間を外してください。ドライバークルーからのお願いです。

朝になり視界が広がれば、まさにそこは『ベトナム』

想像以上の長時間運転でズブズブのクタクタで現地入りした時は既に夜中を回っていた。広大な本栖ハイランドは、そのすべてが深い闇に包まれていて、クルー 達も極度の疲労感から周囲を注意深く見渡す事もなく黙々と設営作業を開始した。梱包を展開し、テントサイトを設営できた時点で既に夜中の3時。軽い夜食を 採ると、みんな直ぐに眠ってしまった。

朝になって周りの視界が開けてくると、そこは軍用テントが建並び、軍用車両があちらこちらに停車されている風景が視界に広がる。そこは普通の日本ではない 『非日常』の空間、そうベトナムなのだ。ぞろぞろとファティーグに身を包んだ兵士たちが、それぞれの部隊のテントから這い出てくるシーンなんかは、まるで 自分が映画の中にいるような錯覚に襲われる。

日が高くなると会場は活気を帯びてくる。メインストリートを土埃を上げて軍用トラックやジープが行き来をする。南ベトナム政府の関係者と思われる2人が のったカブが、ジープの脇を走り抜けていく。こういったシーンを何度なく映画のスクリーンで見たような気がする。うーんここはまさにベトナム。現実の仮想 空間がここにはある。

オペレーションBOB発動!

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最終日にあたる8月12日には、このMVGのメインイベントである『オペレーションBOB』が発動された。なんの事はない『ベトナムマニア』の為のサバイ バルゲームなのだが、普通の勝った負けたの勝敗を競うサバイバルゲームではなく、『ベトナム戦争』の雰囲気を演出する為のサバイバルゲームといっていいだ ろう。 本部前に集結した米軍兵士が、次々とやってくる軍用トラックに分乗して米軍の兵力投下ポイントへピストン輸送されていく。コンボイはガンジープを先頭にし て、ベトコンの支配エリアへ逐次投入されていくのだ。 戦場では圧倒的に共産軍の兵士が少なく、共産軍勢力に会敵する事すら出来ない米軍部隊もいたようだが、農民への尋問ルールやベトコンか否かを確認する為の 身分確認作業などのルールが設けられていて、米軍部隊が無線で本部に確認する作業などの『戦闘以外』の演出にも工夫が施されていた。中には確認をせず農民 に発砲する不良部隊もいたとかいないとか・・・。

夏の風物詩になるか?既に次回の開催も検討

お盆真っ只中といった開催日時的に若干ペナルティがあった今回のMVG07だが、すでに多くの参加者から次回開催についての要望が出されているようであ る。確かに、日本国内でここまで内容の濃いベトナムイベントはサムズミリタリ屋が主催するMVGでしか体験する事は恐らくできないだろう。公式サイトでは 『定例イベントとして〜』との記述もあるので今後の継続化に大いに期待したいところだ。

今回MVGに参加できなかったベトナムフリークの諸君も、次回はなんとか都合をつけてこのイベントを自分の目で覗いてみてほしい。フォトやビデオではすべての魅力を伝える事はできない。むしろ伝える事ができる部分は魅力の表面的な、しかもほんの僅かな部分だけだ。

とにかく、ベトナム戦争の映画の中に入ってみたいと妄想するようなら、このMVGのイベントは参加する方向で間違いはないだろう。僕は今後このMVGイベントを追いかけていくつもりだ。


フォトギャラリー

収集データー

内    容
イベント名 MVG in VIET NAM’07 『Operation BOB』
主 催 者 サムズミリタリ屋
会   場
本栖ハイランド
〒401-0337 山梨県南都留郡富士河口湖町本栖212
開 催 日 2007年8月11日(土)〜8月12日(日)
その他 6,000円(キャンプのみは3,000円)
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外部リンク

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