映画の世界観を体感できる!!ベトベトしま戦か?『リパブリック・エネミー・ナンバーワン』ゲームレポート

―エピローグ―
ベトベト地区に駐留する米越合同師団は、4月の『サボイ砦の戦い』で辛くも勝利を収めた。
しかし勝利は単なる点でしかなく、北ベトナム軍、解放戦線の攻撃はやむ気配がなかった。
長引く戦争は兵士達の士気にも影響を及ぼし、国内での反戦運動の盛り上がりから
ベトナム戦争に対する疑問を胸に抱える兵士達も少なくなかった…。無論、長引く戦闘はベトナム国民も辟易していた。
1970年10月、不正や賄賂が横行するベトナム共和国、貧しい民衆を救うかのように軍の物資を強奪する一味があった。
指示するのは 元グリンベレー大佐であった。米軍からの命令を無視し大麻栽培を行う独立王国をカンボジア国境付近に築き上げていたのだ。

政府軍、CIAは元大佐を“リパブリック・エネミー・ナンバーワン”(共和国の敵ナンバーワン)に指名。
米越合同師団を独立王国へ進軍させ、グリンベレー大佐の拘束を命じた…。
南ベトナム軍、アメリカ軍、北ベトナム軍、解放戦線…それぞれの思惑を胸に四つ巴の一大戦闘に発展するのであった…。

私のことはマツ中尉…と呼んで頂こう
私がこの物語の語り手
断っておくがこの物語に真実は含まれていない。

先日中尉に昇進した私は10月3日、上級指揮官教程を受けるためサワ・ラ地区作戦司令部に出頭した。
指揮官のサケスキー大尉とニワ先任に簡単に挨拶したのち、大尉殿からすぐ業務に取り掛かるよう指示された。
ここで戸惑っている暇は無い。すでにここは戦争なのだ。

今回の作戦内容は『リパブリック・エネミー・ナンバーワン』
元グリンベレー大佐が命令を無視し私兵を集めジャングルの奥深く独立王国を築き上げているとの報告により、このグリンベレー大佐を拘束もしくは殺害する事が命じられた。
末端の兵士だけでなく士官、それも精鋭部隊であるグリンベレーの大佐までもが、この戦争に対して疑問を抱いている。
軍部としてはこのような者への制裁の意味もあるのだろう。
リパブリック・エネミー・ナンバーワン

キャンプではステージの設営が行われていた。作業する兵に尋ねると慰問ショーが行われるのだと言う。
夜の帳がおりるとジャングルの奥地に煌々と焚かれる照明。集まった兵達は野卑なヤジを飛ばしながらショーの始まりを待っている。
突然、爆音と共に1機のUH-1がステージに着陸する。肌も露わになったプレイメイト達の登場に興奮する兵達。
扇情的に腰を振る姿に欲望を抑えきれなくなった兵達とMPとの小競り合いが始まる。
ここは戦場なのだろうか…?
朦朧とする意識とは裏腹にステージ上で行われているSMショーに釘付けになっていた。死への恐怖なのか、兵達は浴びるように飲み、笑い、貪る。
泥沼のような熱気に飲み込まれそうだった。私もアメリカも…。

翌日、4月の戦闘で奪還したキャンプ・サボイに到着。
ラジオチェック後に各部隊を展開させていく部隊展開についてニワ先任のやり方を見て勉強する。
散発的な戦闘が始まる。最前線で何が起きているのか、司令部にいてはさっぱり検討がつかない。これがクラウゼヴィッツ曰くの「戦場の霧」というやつか。

無線を取り部隊に適宜指示を出し、負傷して後送されてきた部隊の相手をしたり、叱咤激励して再び送りだしたりと、司令部勤務も何かと忙しい。
各部隊の指揮官にも個性がある。軍人らしく規律を保っている者もあれば、娑婆のサラリーマンのような口調の者がいたり、上官に対しての口のきき方を知らない者まで…
司令部をまるで飲み屋か何かと勘違いしている者まで居る始末だ。

午後の作戦開始前にCIAが入手したカーツ大佐の会話を記録したテープを聞かされた。
テープから流される大佐の声。耳の奥に張りつくような低音で不可解な言葉が羅列される。
剃刀の上を這うカタツムリがどうとか、彼は詩人らしいが既にリパブリック・エネミーに指定された男がこれ以上何をしようというのか?ジョン・デリンジャーでもあるまいに。

カーツ大佐とその王国を探索するためさらに奥地へと部隊を展開する。特に大尉のLRRPに対する指示は厳しい。
「ラープをポイントA1に(手前一番隅の森)そのまま進行しH1へ向かわせろ(まるっきり反対側へ。崖と森を越える)」
「いや、でも崖や森を越えられないのでわ」
「彼等は特殊部隊なのだ一般部隊と同じ仕事をする為にペイランクが高い訳ではない!」
本当に鬼指揮官かと!

LRRPからカーツ王国を見つけたとの報告が上がった。
部隊を急派するも追いきれない。我々を嘲笑うかのように包囲の手ををすり抜けていく。カーツはこのジャングルを熟知している…

突然、第25歩兵師団の一分隊が米軍を離反しカーツ大佐に寝返ると宣言した。“アメリカには明るい未来が無い”と言うプロパガンダのビラを信じたのであろう…

近くに居合わせた海兵隊と第一歩兵師団を蹂躙しジャングルの奥地に逃げ去った。

時間を浪費していた我々に貴重な情報が入った。カーツ王国の居場所が判明したのだ。全部隊を総動員し大尉みずから陣頭指揮に立つ。私もPRC25を背負いRTOとして出撃する。

カーツ王国へ向かう途中、離反した第25歩兵師団の兵隊が処刑され吊るされている現場に遭遇する。俺もいつかああなるのか?遺体を見て言い知れぬ恐怖に襲われる。

カーツ王国と米軍が対峙する。この総攻撃でカーツ大佐の息の根を止められるはず。総攻撃が下命され、全軍がカーツ王国を取り囲むように進軍する。

大尉が無線で空爆を要請している。

「座標69-1919!奴らを石器時代に戻してやれ!」
2機のスカイホークが低空から突っ込みナパームを投下していく。空爆によりやぐらが崩れ落ち、逃げ惑うヤード達の姿が見えた。

全部隊は雄たけびをあげ、一気呵成にカーツ王国へとなだれ込む。銃を撃つまもなく原住民達が襲いかかってくる。
血を血で洗う白兵戦が随所で展開されていた。

勇敢な兵隊達の活躍によりカーツ王国はあっけなく陥落した。王国と言われたカーツの陣地は血と硝煙の臭いと折り重なるように倒れる死体で埋め尽くされていた。

誰一人生きて捕虜になったものいなかった。カーツ王国に殉じたものは死ぬその時まで主に忠実だったのだろう…。

写真提供

VVPA
ITHACA,Conny,Nogias,Korenskie

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イベント情報

内    容
イベント名 ベトベトしま戦か?「リパブリック・エネミー・ナンバーワン」
主 催 者 ベトベト実行委員会
会   場 サバイバルゲームフィールド「エリア51」
開 催 日 2010年10月2日、3日
その他 両日3000円(女性及び18歳未満の場合は無料)
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