東京マルイ製電動M14ライフルのユーザーに嬉しいニュースがある。2007年の年末あたりから一般流通を開始したG&P社(ジーアンドピー社)の東京マルイM-14用コンバージョンキット(製品名:M-14DMR Conversion Kit)なのだが、既に小売店で購入しているユーザーも多い事だろう。遅れ馳せながらcombat.ch編集部にもコンバージョンキットが到着したので、早速編集部 に置いてあるM-14をコンバートしてみる事にした。記念すべき今年初のレポートは、この『M-14DMR』となる訳だ。
M14DMR(Designated Marksman Rifle)
Designated Marksman Rifleとは、日本語に訳すと『上級射手用ライフル』となる。部隊の中でも選抜された射撃手が使用する為の特別なライフルといった位置付けだ。
米国海兵隊ではM700やM40といったボルトアクション式のライフルを狙撃銃として使用してきた歴史があるが、セミオートで射撃が可能なM14ライフル も戦場においては非常に有効な事(非常時には制圧射撃などが可能)が認識されていて、ベトナム戦争当時から比較的多くのM-14が狙撃用のライフルとして 使用され続けてきた。海兵隊ではこのM-14を狙撃銃としての性能を更に特化して再配備を進めている。特徴的なマクミラン社製銃床・ハリス社製バイポッ ド・リューポルド社製スコープ(M1/M3系)・スコープマウント(ブルックフィールド社設計同等品)などの装備が施され、銃身は銃身基部からオペレー ションロッドガイドまでが太い、いわゆる Midium Contour Barrel と交換し、『M-14DMR』としてアフカニスタンやイラクに派遣されている海兵隊部隊や陸軍の一部の部隊に支給、第一線で使用している。
特徴的なストックをもつ『M-14DMR』
『M-14DMR』はピストルグリップを有する非常に特徴的な外見を有している。これはベトナム戦争当時に分隊支援火器として使用されたM- 14A1/E2をベースにして改良が加えられている。G&Pのストックは外質感はよく出来ているが、ストックの内側を見ると仕上げが悪く、マルイ 純正に付属してきたのものと比べ物にはならない。また全体的な強度にしても若干不安が残る。ストックをぶつけたりしたら、センター部分で『パカッ』と割れ てしまいそうだ。
ストックのバットプレート部はスペーサーを調整する事で射手に合わせて調整できるようになっており、チークパットも同様に射手で調整する事が可能になっている。このあたりはG&P製品でも余すところなくリアルに再現されている。
この製品の最大の問題は、恐らくバッテリー交換となるだろう。パットプレートの長い2本のネジを外さないとバッテリーの交換は不可能だからだ。マルイの純 正ストックが機能的であるが故に、この部分はとても不便に感じた。しかも製品概要にはラージバッテリー対応となってはいるが、純正のラージバッテリーはギ リギリ、いや押し込んで『なんとかセーフ』感である。パットプレートのネジを締めると、バッテリーに変な圧力がかかりすぎて液漏れしそうでとても怖い。こ こはスペーサーの中心部を切除して空間を作るなどの加工改善策が必要だろう。
取り付けに至ってはとても簡単な作業で、おおむね30分もあれば組み換えは完了する。メカボックスを分解したりする必要はないので、電動ガンの知識があまり なくても自分で加工できるコンバージョンキットといえる。しかし付属モーターハウジングへ交換後のクリアランス調整だけは忘れないように!さもないと組み 上げた初めての試射で、ニブいギアの回転音を聞くハメになる。
実銃のM-14DMRとマルイM-14のバレルガードは若干形状が異なる。ここまで完成させたならこの部分どうしても気になって仕方ない。実在するかどう かは分からないが、とりあえずRASを取り付けてみる事にした。RASを組み込むと、重量は約6キロ近くとリアルスケールと殆ど同じ重量。当然の如く立撃 姿勢だと腕がプルプルしてサイティングが安定する事はない。これはバイポットが無しでは狙撃なんて出来たもんじゃない。
組み上げられた『M-14DMR』は、その特徴的なフォルムが『選ばれし射手用』の感触を十分に醸し出す。ユニットの組み込み自体はとても簡単なので、ス ナイパーライフルに興味のあるユーザーはチャレンジしてみる価値はありそうだ。既に一般流通は開始しているので、専門店で入手する事が可能だ。
フォトギャラリー
収集データー
本製品データー | 実銃データー | |
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名 称 | M-14DMR Conversion Kit |
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メーカー | G&P (日本語) |
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主要材質 | ABS,PP+GF & ダイ・キャスト |
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銃身長 | — | — |
全 長 | — | — |
重 量 | — | — |
口 径 | — | — |
初 速 | — | — |
パワー値 | — | — |
照準具 | — | — |
パワーソース | — | — |
給弾方式 | — | — |
発射速度 | — | — |
発売日 | 2007年12月後半 | |
撮影日 | 2008年2月2日 | |
購入店 | 通信販売で購入 | |
実売価格 | 18,800円(消費税別) | |
ポイントスター |
★★★☆☆
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