映画『ブラックホーク・ダウン』で登場する兵士は、M-4やMINIMIなどの近代的なデザインの武器で武装しているが、その中に古めかしい大型のライフ ルが登場する。セミ・オートで民兵を一人一人確実に倒していく・・・その古めかしい大型のライフルが今回マルイから電動モデルで発売されたM-14ライフ ルだ。
実物は急場しのぎの欠陥銃?
1950年代、朝鮮戦争でAK-47の貫通力の高さと突撃銃の有効性を遅れて認識した米国防省は、バランスのとれたM-1ガーランドをベースにして 7.62mmx51、フルオート機能を搭載したスプリングフィールドM-14を正式採用した。1957年から部隊に配備されたM-14ではあったが、すぐ さま問題が発覚した。新搭載したフルオート機能がコントロールできない問題が発生した。これは大口径7.62mmx51を使用していた為に起こる解決不可 能な問題だった。また、当時ベトナムへの本格的な介入を進めていた米軍は、ベトナムへM-14を配備した。しかしジャングルの中で1メートル近くあるライ フルを振り回す事になる兵士にはすこぶる不評だった。そして流れは大口径M-14から小口径AR-15へと変わってしまう。
しかし、海兵隊の一部は引き続きM-14を使用し続けたし、小口径で統一された現代でも7.62mmx51のストッピングパワーは特殊部隊などに幅広く使 用されている。米軍正式ライフルとしては不名誉だったが、軍用ライフルとしては現在でも多くの兵士が愛用しているライフルでもある。
”マルイ”スプリングフィールドM-14
今回はお店に予約していたにも関わらず入手ピンチ。自分の順番が回ってこないと電話を受けた。かなりのピンチである。あっちこっちのショップに電話してみるがどこもダメ。ファーストロットが少ないようだ。仕方なく遠方のお店に頼んで一丁どうにか確保する事ができた。
翌日、遅めにクロネコヤマトが宅急便を配達しにきてくれた。待っているときは配達が遅いように感じてしまうものだ。早速開けてみる・・・黒い布がなんとも高級感をかもし出している。マニュアルなどが入った箱は海兵隊のマニュアルかと思ってしまうほど雰囲気を出していた。
早速、箱から出して見て全体を見て見る。フレームは金属製で当然バレルも金属製。ライフルを構えて見たが剛性は十分にあった。従来の構えたときの不安感は まったくなかった。ボルト周りは可動式で、ボルトもロータリ運動をしてくれる。ボルトを後ろまで引くと電動ユニット上部が丸出しの状態になる。黒く塗装さ れているがモナカ式の為か良く見るとスキマが空いている。ユニット分解していないのではっきりとは分からないがここからホコリが入るかもしれないのでゲー ム中にはボルトを引かない方が無難かも(まあ、ボルトを引く必要もないが)。また、このボルトには”勢いよく戻さないで下さい”の注意書きがされていた。 このあたりは機能に関係ないので強度は最低限と思われる。
フルオートとセミオートの切り替えは実銃と同じように右側に飛び出したセレクターレバーで行う。このセレクターレバー、おそらく亜鉛合金製だと思う のだが、強度が弱そうな作りなので注意が必要かもしれない。レバーの作動は確実で、切り替えはコツを掴めばスムーズに出来そうだ。
リアサイトは合金製の可動式、エレベーションは 1目盛ごとに、ウィンデージは1/4回転に設定されている。残念なのはフロントサイトで、こちらは合金の一体ものになっていた。外見上はパーツが多様されていそうに見える。重量はマニュアルによると3850gとなっているが、軽いような気がした。重心が後ろにあるからだろうか。バッテリーを入れて重量は4100g程度になったとは思うが、さほど重たいとは感じなかった。
ストックがトテモイイ!
今回のM-14を手にして見て一番関心した所は”ストック”の出来の良さ。とくにカーブ曲線が本物のストックに負けないラインを描いていた。モデルガンと 実銃の顕著な違いは、多くの場合ストックの微妙な形状にある。モデルガンでもストックを実銃のものに交換するだけで見違えるようにリアルになるのは、この ”微妙なライン”によるところが大きい。マルイのM-14にはこの微妙なラインがとても上手く表現されていて、軍用ライフルM-14を十分に演出してい る。
ちょっとしたクセ
マガジンの交換にはちょっとしたナレが必要だ。M16系やMP5系のマガジンチェンジに慣れてると、うっかりマガジンを落としてしまう事になると思う。マ ガジンを斜めから差し込んでカチリと音がするまで押し込む事が必要だ。このカチリがないと引き金を引いた途端にマガジンが落ちる事もある。慣れればスムー ズにマガジンチェンジ出来るが、慣れるまでは注意が必要だ。
殆どフルサイズのマガジンを前方からカチリと音がするまで差し込む必要がある。 |
さて、実際に撃ってみて
まずはカラ撃ちをしてみた。作動音は大きく感じられたが、実際にBB弾を装填して撃ってみるとだいぶ静かになった。フレーム部とバレル部の剛性が強 いので、しっかり構えても弾はまっすぐに飛んでいく。8メール程先の空き缶にスコーンと命中する。フルオートで射撃すると、タタタタッと小気味よいサイク ルで発射されるが、7.62mmの大口径フルオートなのだから、発射サイクルはもう少し遅めの方が迫力が出るのでは?と思うのだが・・・
実際、ここまで完成度が高いとは思ってなかった。正直台湾製を買わないで待っていたのは正解だった。今後、M-14の強化パーツなどが充実してくれば、更に性能の高い、モデルガンの外見を持った電動M-14が出来るに違いない。
収集データー
本製品データー | 実銃データー | |
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名 称 | M-14 | M-14 |
メーカー | 株式会社 東京マルイ |
スプリングフィールド
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主要材質 | 亜鉛合金及びプラステlック、合成樹脂 |
鋼鉄及び木材、合成樹脂
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銃身長 | — | 559mm |
全 長 | 1127mm | 1125mm |
重 量 | 3,850g | 4,590g |
口 径 | 6mm | 7.62mm×51NATO |
初 速 | 95 m/s (0.2g) | 850 m/s |
パワー値 | 0.97J(規制後0.91J) | — |
照準具 | オプション | オプション |
パワーソース | 電 動 | 装 薬 |
給弾方式 | マガジン給弾方式 | マガジン給弾方式 |
発射速度 | 毎分700-750発 | |
発売日 | 不明 | |
撮影日 | 2005年8月10日 | |
購入店 | 模型店 | |
実売価格 | 28,000円~31,000円 | |
ポイントスター |
★★★☆☆
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