マイケル・ベイ監督のパールハーバーについての概要とあらすじ、一個人として思った感想や他の話から持って来た考察などを中心にこぼれ話やあまり知られていない情報、ゴールデンラズベリー賞にノミネートされた原因や他の番組で実際に検証した結果を引用して映画の別の視点での見方を筆者なりに考えて書いてあります。
「 パール・ハーバー 」は、アカデミー賞受賞作でも実はゴールデンラズベリー賞にノミネートされていた
作品の舞台は第二次世界大戦開戦直後から真珠湾攻撃、その後のドーリットル空襲が主な舞台となっており、アメリカ陸軍航空隊所属の主人公達の友情と恋愛、戦いを描いた作品です。
監督はアルマゲドンなどのSF映画やザ・ロックなどのアクション映画で有名なマイケル・ベイで監督を手掛けた順ではトランスフォーマーシリーズの前に当たります。
プロデューサーにはアルマゲドンと同じくジェリー・ブラッカイマーが付くなど、ヒット作を世に送り出してきたタッグになってます。
また、この映画は当時の最先端CGが戦闘シーンに使われている他、迫力のある音響演出も特徴で2001年のアカデミー賞の音響効果賞を受賞しています。
一方で音響や演出に力を入れた結果、戦争映画としては史実を大幅に脚色あるいは無視した演出となってしまいアカデミー賞を取ったそれが皮肉にも災いして同年のゴールデンラズベリー賞にもノミネートされてしまうという事にもなりました。
また、約2分間の映像が加わったディレクターズカット版もリリースされています。
制作費1億4千万ドルに対して興業収入はアメリカで約4億5千万ドル、日本では69億円の収益を出しているのでヒット作と呼べるものになっています。
「 パール・ハーバー 」のあらすじ
アメリカ陸軍航空隊の戦闘機パイロットであった主人公の二人(レイフとダニー)は幼い頃から兄弟同然に育ち、本当の親友と呼べる仲で一緒に陸軍航空隊に志願して戦闘機パイロットになった。
やがてレイフは看護師のイブリンと恋に落ちるが、戦争に引き裂かれレイフは理想と義憤を抱いてヨーロッパ戦線に向かい、ドイツ空軍との激しい戦闘を繰り広げた。
その頃、ダニーとイブリンはハワイの真珠湾(パールハーバー)に転属となる。
だが、転属直後に二人の元へ“レイフの戦死”の伝えが届き深い悲しみに沈んでしまう。 悲しみの中でお互いを慰め合ううちにダニーとイブリンは深い仲に陥る。
しかし、戦死の伝えは実は間違いでイブリンへの思いを糧にレイフは生き延びていた。 苦労の末にアメリカに帰国したレイフはダニーとイブリンが恋仲になっていた事に愕然とし、ダニーと対立してしまう。
イブリンを巡って二人が対立していた1941年12月7日の朝、大日本帝国海軍の空母機動部隊による真珠湾攻撃が始まってしまう。
イブリンを巡って対立していた二人であったが、真珠湾攻撃以降は一旦その事は止めにして、陸上用爆撃機で空母から出撃する訓練を受け、任務の為日本へと向かう事になった。
独特なカメラワークと優れた音響に反して、リアルさとは程遠い滑稽さとの共存
この映画は最初にも述べた様にマイケル・ベイ監督の作風がかなり出ている作品だと言って良いと思います。
登場人物を中心に螺旋状に上昇するカメラワークや派手な爆破シーンなど他の作品でも見られるマイケル・ベイの作風がこの作品の中心と言って良いかもしれません。
何故ならゴールデンラズベリー賞にノミネートされてしまった原因の一つにもなりますが戦争映画としては史実を大幅に脚色あるいは無視してまでも演出にこだわりが見えるからです。
真珠湾攻撃のシーンでは人間が艦上から発砲した機関銃の弾でいとも簡単に日本軍の航空機が撃墜されています。
戦前から現代まで現役で使われているブローニングM2重機関銃だと仮定して見ても12.7mm弾を数発当てたところではラジコン飛行機でも簡単に撃墜できません。
アメリカ軍海兵隊出身で俳優のR・Lee・アーメイが自身の番組で検証したところではラジコン飛行機に当てる事すらまず難しく、当たったところで数発ではラジコン飛行機すら撃墜できない検証結果もあります。
またドーリットル空襲のシーンでは攻撃目標となる軍需工場にいたっては屋根にでかでかと文字が書いてあります。
いくら1940年代で大日本帝国軍が海外に進軍していた時期とは言え、軍需工事に外から見える印を付ける様な事はさすがにあり得ません。 むしろ軍需工事はその性質上、役人や軍の人間かそこで働いている人間以外にはわからない様にカムフラージュしているのが普通です。
この戦争映画「パール・ハーバー」は、“戦争映画のふりをした恋愛映画”と評されることが多いのですが、少しばかりの軍事知識がある方からすれば、程よい間違い探しゲームのような戦争映画になってしまっています。この辺りは映画だからと割りきらないと笑ってしまうでしょう。 この事は特にゴールデンラズベリー賞にノミネートされた原因かもしれません。
タイトル | パール・ハーバー |
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監 督 | マイケル・ベイ |
出 演 | ベン・アフレック、ジョシュ・ハーネット、ケイト・ベッキンセイル |
製作・配給会社 | ブエナビスタインターナショナル |
公式サイト | 公式ウェブサイトの情報は見つかりませんでした。 |
公 開 日 | 2001年5月25日(米)2001年7月14日(日) |
上映時間 | 183分 |
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